空き家は更地にするべき?売却・管理のメリットについて解説
空き家の管理や売却を考えている人にとって、建物を残したまま保持することと、更地にしてしまうことのどちらが得策かは大きな悩みどころですよね。今回は、空き家を更地にすることの具体的なメリットとデメリットを詳しく掘り下げてご紹介します。売却時の選択肢について、ぜひ参考にしてみてください。
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空き家を更地にするメリット
空き家を更地にするメリットとして特に大きいのが、以下の3点です。
空き家管理の手間がなくなる
空き家を所有すると、維持管理に多くの労力とコストがかかります。例えば、定期的な清掃、設備の点検、草刈りや不法投棄のチェックなど、手間と時間が必要です。更地にすればこれらの維持管理の必要がなくなり、時間と費用を大きくカットできます。特に、家主が遠方に住んでいる場合は、管理業務の委託コストも削減できるため、大きなメリットと言えるでしょう。
空き家に関するトラブルを回避できる
空き家は、さまざまなトラブルの原因になり得ます。例えば、不法侵入や放火、ゴミ・害虫の増加による近隣住民からの苦情などです。建物が存在しない更地にすることで、これらのリスクを減少できます。また、空き家が老朽化している場合、建物そのものが倒壊といったリスクが生じることもあるでしょう。解体してしまうことで、そうしたリスクも完全に排除できます。
買い手が見つかりやすい
更地は、買い手市場が大きくなっています。建物が無いことで、土地の形状や広さがはっきりするため、購入後の利用計画を立てやすくなるためです。また内部の老朽化具合を確認したり、一度解体したりなどの手間もなく、新たに建築をスムーズに進められます。特に注文住宅を考えている人にとっては、魅力的な売り物となるのです。
空き家を更地にするデメリット
空き家を更地にするには、デメリットも存在します。主に挙げられるのが以下のデメリットです。
税率が上がる
建物が存在すると、住宅用地の特例により固定資産税が抑えられます。しかし、更地にするとその特例が適用されなくなり、固定資産税が高くなってしまうのです。すぐに更地の活用が決まればいいのですが、長期にわたりそのまだと税額的に負担増加となってしまいます。
解体・撤去の費用がかかる
空き家を更地にするためには、建物の解体と廃材の撤去が必要です。平均的な一戸建て住宅の解体費用は数百万円程度とされており、これを売却価格が上回らないと総合的には損失に繋がってしまいます。解体する建物の大きさや構造によって費用は大きく異なりますが、より利益が出る活用方法を考える必要があるでしょう。
空き家付きのまま土地を所有し続けた場合のコスト
更地を選択せず、空き家付きのままで土地を所有した場合は、主に以下のコストがかかります。
維持・管理費
空き家を放置すると、定期的な保守・点検が必要になります。屋根や外壁の補修・防水処理の更新・設備の点検などが含まれ、維持管理には年間数十万円が必要になることが一般的です。これが長期にわたると負担する金額はさらに増大していきます。
税金
固定資産税は、住む人がいなくても建物が存在する限り発生します。空き家があることで適用される税率の特例があるものの、払い続けることは必至です。もし、建物が再活用され固定資産税を超える収入があればメリットとなりますが、場合によっては負担が増えることも考えられます。
光熱費
空き家でもライフラインを止めないのであれば、最低限の光熱費はかかります。また、家の劣化を防ぐために光熱費を必要とする場合もあるのです。例えば水回りの凍結を防止する暖房、室内掃除のための家電使用など、これらに必要な費用も考慮する必要があります。
物件の状態によっては更地にするのがおすすめ
建物の状態が悪く、修繕費用がかさむ場合や、将来的に新築を検討している場合は、更地を検討したほうがメリットを得られます。特に早急な売却を考えている場合は、土地だけのほうが買い手が興味を持ちやすくなるため、スムーズに現金化まで進むことが期待できるでしょう。