空き家を相続することになったらどうする?確認すべき点を解説
空き家を相続した場合「不動産」として、資産になるメリットがあります。しかし、維持管理から税金、最終的な活用方法に至るまで、その後について決めなければならないことも多くあるのです。今回は、相続した空き家についての手続きや、賢く効果的に管理する方法をご紹介します。
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空き家を相続する際の確認ポイント
空き家を相続する際は、後のトラブルや負担問題を避けるためにも、以下のポイントに注意しましょう。
資産価値
空き家の資産価値を確認しておきましょう。地域の立地や建物の状態によって、空き家の価値は大きく変動するため、専門家による査定をお願いするのがおすすめです。資産価値が高い場合、売却や賃貸に出すことで収益を得ることができます。逆に、価値が低い場合は、コストを抑えて速やかに処分する方法を考慮する必要があるでしょう。
維持・管理・税金のコスト
空き家の維持と管理にはさまざまなコストがかかります。特に、建物が放置されることによる劣化を防ぐためには、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。また、建物を所有・相続することにより以下の税金も発生します。
相続税
相続税は、故人の財産が法定相続人に引き継がれる際に課される税金です。空き家もその財産の一部とされ、市場価値に基づいて税額が決定されます。相続税の計算には、不動産の評価額が非常に重要で、位置や状態、市場での需給などで税額も変動するのです。建物が良好な状態で維持されていると、その評価額が高くなり、結果として相続税の負担も大きくなる可能性があります。
固定資産税
固定資産税は、土地や建物などの不動産を所有している個人や法人に毎年課される地方税です。空き家も課税の対象となり、その評価額に応じて税額が決定されます。固定資産税の額は、不動産の所在地となる地方自治体の条例に基づくため、地域によって税率が異なります。
空き家の場合、劣化が進むと評価額が下がり、税額も変動する可能性もありますが、建物が老朽化していると反対に特定空家として高い税率が適用されることもあるでしょう。
権利関係
相続における権利関係は、故人の財産が法定相続人に正しく引き継がれるために、法的な手続きを適切に行うことが求められます。この手続きを怠ると、将来的に不動産の売却や抵当権の設定時など、所有権に関するトラブルが発生するリスクがあるため注意が必要です。
相続登記
相続登記は、故人の不動産を相続人の名義に変更する法的手続きです。故人が亡くなったことによって自動的に相続人の名義に変わるわけではなく、相続人が積極的に法務局に登記申請をする必要があります。相続登記は遺産分割協議が完了した後に行われることが一般的で、相続人全員の合意が必要となるため、場合によっては専門家の助けを借りることが望ましいです。
遺産分割協議
遺産分割協議は、故人が残した財産を相続人間で分割するためものです。この協議を通じて、各相続人が受け取る財産が決定されます。特に不動産のような価値が大きく、分割が難しい財産の場合、誰がどのように相続するかを決めることが重要です。遺産分割協議では、相続人全員が納得のいく解決を目指す必要があり、弁護士や税理士などの専門家が介入して協議をスムーズに進める手助けをします。
適切な遺産分割が行われないと、後に相続人間の関係性悪化の原因となることがあるため、遺産分割協議は非常に重要です。
相続放棄
空き家の維持にかかるコストや責任を避けたい場合、相続放棄は1つの選択肢となります。これは相続人が相続を一切受けないことを選ぶことで、法的な手続きが必要です。ただし、不動産のみを放棄することはできないため、その他の資産も全て放棄することになります。
相続した空き家の活用法
相続した空き家は、放置せずに以下のような活用方法が推奨されます。
再住居
自身が使用するために、空き家を再活用するという選択肢です。現在の生活基盤がその地域にある場合の転居や、セカンドハウスとして利用する場合に適しています。リノベーションする場合は投資が必要ですが、新築を立てるよりはコストを大幅にカットできるでしょう。
賃貸
空き家を賃貸物件として市場に出すことで、不労所得を確保することが可能です。ただし、入居者が見つからないリスクや、建物の維持管理が必要になるため、総合的なメリットデメリットをしっかり考えた上で選択しましょう。
売却
市場価値がある場合、空き家を売却するのも方法のひとつです。売却をすれば資金を得られるとともに、空き家の管理を行う手間もなくせます。空き家を売却する際には、市場の動向を把握し、最適な時期に市場に出すことが、より多くの資金を得る鍵となるでしょう。そのためにも、不動産屋としっかり話し合った上で納得いく売却を行うことが大切です。
空き家の相続はコストや後の使い道を考て決めよう
空き家を相続する際には、その後の維持管理費用や活用方法をしっかりと計画することが重要です。無計画に相続を進めると、思わぬ負担が発生する可能性があるため、専門家と相談しながら最適な選択を行いましょう。