井戸のポンプを交換するタイミングは?DIYの方法と費用を解説
井戸のポンプは、定期的なメンテナンスをしていても、経年劣化による故障や性能低下は免れません。また、ポンプの故障は、井戸水を貴重なライフラインとして利用している家庭にとって、大きな痛手となるでしょう。そこで本記事では、ポンプを交換するタイミングやDIYでできる交換方法と費用についてくわしく解説します。
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井戸のポンプを交換するタイミングは?
井戸のポンプに以下の症状が現れたら交換のタイミングです。劣化のサインを見逃さないようにしましょう。
水圧が弱い・水が出ない
井戸水の水量が減ったり、勢いが落ちている場合は、いくつかの原因が考えられます。例えば、砂などによる目詰まりや凍結が原因であれば、ポンプの掃除や保温材などで解消されるでしょう。井戸周辺の環境の変化による地下水位の低下が原因であれば、井戸の掘り直しを検討したほうがいいかもしれません。
環境や気候の問題はなく、ポンプ設置後10年以上経過しているのであれば、ポンプ自体の経年劣化が原因と考えられるため、ポンプの交換をおすすめします。
ポンプが動かない
井戸ポンプの一般的な耐用年数は7~10年程度といわれています。ポンプが動かないのは、長年使用し続けたことによる電気部品の故障が原因の一つです。他にも、ポンプ内にスケールや砂などの付着が原因とも考えられるため、まずは電気系統や配管系統を確認してみましょう。
ポンプから異音がする
異音の原因を特定するには、ポンプ本体の点検と配管系統の確認が必要です。ポンプの耐用年数が過ぎているのであれば、ベアリングの摩耗や破損、あるいはモーターコイルの焼け付きなどが原因かもしれません。その場合、部品交換やポンプ本体の交換を検討する必要があります。
モーターが故障している
モーターは回転していても水が出なかったり、モーターが過熱している場合は故障の兆候です。モーターの故障は、定期的なメンテナンスと早期に異常を発見することで大がかりな修理を防ぐことができます。モーターに不具合を感じたらそのまま放置せず、専門業者に点検を依頼しましょう。
DIYで井戸のポンプを交換する方法
家庭用の井戸ポンプの交換は、後継機に交換するのであればDIYでも可能です。以下の手順をしっかり抑え、慎重に作業しましょう。
1.必要な道具を準備する
井戸のパイプの交換作業に入る前に、まず以下の道具を準備します。いずれもホームセンターやネットでの購入が可能です。
- パイプ本体一式
- パイプをつなぐための塩化ビニール管継ぎ手
- 専用の接着剤
- シールテープ、ビニールテープ、配管用防食シール材
- 専用のカッター
- 作業用工具一式(パイプレンチ、ペンチ、ドライバー、塩ビ管カッターなど)
- ハンドドリル
- 保温材
- サビ取りクリーナー
2.古い塩ビ管とジェット部品を撤去する
必ず、止水用のゲートバルブを閉め、電源を落としてから作業に入りましょう。電源が完全に切れたことを確認したら、ポンプ本体に繋がっている塩化ビニール管をカッターで少しずつカットし、地面から引き抜きます。塩化ビニール管はかなり重量があるため、穴を空けて水を抜きながら作業するとスムーズに進むでしょう。
塩化ビニール管の下についているジェット部分まで引き抜くことができれば、撤去完了です。
3.新品のジェット部品と塩ビ管を合体させ差し込む
新品のジェット部品と塩化ビニール管を専用の接着剤でしっかり接着させます。最初に引き抜いた塩化ビニール管と同じ長さまで継手で繋いでいきましょう。接着が甘いと水漏れの原因になりますので慎重に繋ぎます。接着剤が乾いたら井戸に挿管し、井戸フタを戻してパイプ支持金具でしっかり固定しましょう。
4.井戸ポンプ本体を取り付ける
挿管が完了したら、塩化ビニール管の中が満たされるまで水を注ぎ「呼び水」をしておきます。塩化ビニール管とポンプ本体をエルボという部品で繋ぎ、さらに給水管と井戸ポンプ本体も繋ぎ合わせてください。接続する各パーツには防食シール材を塗布し、シールテープを巻きつけておきましょう。
井戸ポンプ本体と繋ぎ終わったら、電源を入れ、無事に水が汲み上げられたら交換完了です。最後は、ポンプに保温材を巻きつけ保護しておきましょう。
DIYで行う際の3つの注意点
DIYで交換を行う際は、以下の点に注意しましょう。
作業には2人以上で行う
塩化ビニール管は水が入っていなくてもかなり重量があります。1人での作業は困難なため、作業は2人以上で行いましょう。
深井戸のポンプ交換は避ける
全長10メートル以上ある深井戸のポンプ交換は、熟練の技術が必要です。深井戸の場合、ポンプは地中深くに設置されており、使用する部品も違ってきます。素人が撤去・設置作業を行うことは非常に困難で、失敗すると井戸が使用できなくなる可能性があります。深井戸の場合は、迷わず専門業者に依頼したほうがいいでしょう。
配管を伴うポンプ交換は専門業者に依頼する
配管工事は、水道局指定の工事店でなければ行えません。配管の劣化が伴う場合は、専門業者に依頼し、まず現場を見てもらうことが大切です。
井戸のポンプ交換に必要な費用は?
DIYは、専門業者に依頼するより断然費用が抑えられます。容量やメーカー、材質などによって値段は異なるものの、実際にDIYで材料や道具を揃えた場合の費用は、1万円~5万円程度が一般的です。一方、専門業者に依頼すると、材料費の他に、人件費や出張費、技術費などが加わり、高額な費用を請求される恐れがあります。
しかし、DIYはすべて自己責任です。自身の技術力と作業内容を見極めたうえで行うようにしましょう。
安心安全を考えるなら専門業者に任せよう!
DIYで行う井戸ポンプの交換は、故障後すぐに対処でき、さらに費用が抑えられるため、ぜひ身につけておきたい作業の一つです。しかし、作業ミスをしてしまうと、井戸が使えなくなったり、急遽専門業者に依頼することになったりと、思わぬトラブルの発生も覚悟しておかなければなりません。
安全に長く井戸を利用したいのであれば、専門業者に依頼したほうが安心でしょう。
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