戸建て住宅での浄化槽の必要性!メンテナンスの種類と管理方法を解説
都市部ではあまり馴染みのない浄化槽ですが、地方の戸建て住宅には設置されているところが沢山あります。そのため、地方で戸建て住宅の購入を検討されている方は、浄化槽の必要性について理解しておくことが重要です。本記事では、どのような家で浄化槽が必要になるのか、そしてメンテナンスをどのように行うべきかについてご紹介します。快適な住環境を維持するために、ぜひ参考にしてください。
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浄化槽とは
浄化槽は、家庭で発生する生活排水を処理し、環境に安全な形にしてから排出するための装置です。浄化プロセスは物理的な濾過だけでなく、微生物を活用した生物学的処理や消毒液を使用する化学的処理などの組み合わせによって行われます。浄化槽には、主に単独処理浄化槽と合併処理浄化槽の2種類があります。
ただし、単独処理浄化槽はトイレから出た汚水のみを処理するため、近年ではあまり使用されていません。一方で最近主流となっている合併処理浄化槽は、トイレ以外に台所やお風呂など、家庭で発生する生活排水全般を処理できるタイプのものです。
浄化槽が必要な戸建ての特徴
下水道の設備が不十分なため、各家庭の生活排水を公共の下水処理施設に繋げられない地域で浄化槽が必要となります。このような地域では、建物ごとに設置された浄化槽が生活排水の処理を行い、環境への負荷を最小限に抑える役割を果たします。地方で戸建てを購入される方は、浄化槽の設置が必要かどうかを確認するために、購入を検討している土地が公共下水道区域内にあるのかを確かめておきましょう。
浄化槽のメンテナンス
浄化槽は、家屋を立てる際に設置すれば終わりという訳ではありません。生活排水を安全に処理するためにも、以下のようなメンテナンス作業を定期的に行うことが義務づけられています。
- 保守点検
- 清掃
- 法定検査
保守点検
保守点検は、浄化槽の正常な動作を確認し、問題を早期に発見して修正するために定期的に行う必要があります。機械の点検だけでなく、浄化槽内に溜まっている水質の確認や消毒液の補給なども作業に含まれます。個人では行なえないので、国家資格を有する浄化槽管理士が在籍する業者に依頼してください。
清掃
浄化槽を安全に使用するうえで、定期的な清掃は欠かせません。浄化槽内に溜まった汚泥やスカムを専用のポンプを使用して除去しなければならないため、市町村長から許可を受けた業者に依頼する必要があります。
法定検査
法定検査は、浄化槽を安全に使用できる環境基準が満たされているか、また浄化槽が適切に機能しているかを確認するために実施されます。法定検査に引っかからないようにするには、定期的な保守点検や清掃が欠かせません。検査に合格しなかった場合、問題点や改善点が指摘されるので、追加の修正作業が必要となります。
個人で行える日常的な管理
義務づけられたメンテナンスではありませんが、浄化槽を長く安全に使用し続けるには、日頃から個人で行える管理も重要です。例えば、トイレを使用する時は、適切な量の水で流すようにしましょう。十分な水量がないと、浄化槽内での処理性能を低下させてしまう恐れがあります。
また、シンクから流れる油は浄化槽内で目詰まりを起こす原因となります。油は固めて燃えるゴミとして廃棄し、フライパンについた油はペーパータオルなどで拭き取ってから洗うようにしましょう。
個人が責任を持って浄化槽のメンテナンスを行おう
本記事では、浄化槽が必要な戸建ての特徴とメンテナンス作業についてご紹介しました。浄化槽は、公共の下水処理施設に繋げられない地域で必要となります。保守点検や清掃、法定検査などの定期的なメンテナンスは、浄化槽の正常な機能を維持し、環境への負担を最小限に抑えるために必要不可欠です。
適切な水量の使用や油の処理法など、個人で行える管理方法も沢山あるので、小さなことから実践してみましょう。浄化槽を安全に使用し続けるために責任を持ってメンテナンスを行うことが重要です。